透明なマウスピース型の矯正装置を1日20~22時間以上装着して、1~2週間ごとに新しいものに交換しながら少しずつ歯並びを整える治療方法です。
ワイヤー矯正の場合、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置をつけてワイヤーを通すため装置が目立ちますが、マウスピース矯正は薄くて透明なマウスピースを使用するため、目立たずに矯正治療を行えます。
ワイヤー矯正と異なり、取り外しができるため、食事や会話も普段通りに行うことが可能で、矯正治療中の痛みも少なく、ブラケット矯正とは違いワイヤーの調整をこまめに行う必要もないため、通院回数が少なくなることもあります。
ケースによっては、マウスピース矯正と同時にホワイトニングを行うことも可能です。
マウスピース矯正のメリット・デメリット
マウスピース矯正メリット
装置が目立たない | マウスピースの素材は、薄くて透明なプラスチック製でできています。目立ちにくく、周囲の人に気づかれにくいメリットがあります。接客業の人や、装置の見た目が気になって矯正を受けることに躊躇していた人でも安心して受けられるでしょう。 |
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取り外しができる | ワイヤー矯正では矯正治療が終わるまで装置を外すことはできません。 |
痛みが少ない | ワイヤー矯正の場合、装置によってお口の中がでこぼこした状態になり、粘膜に傷がついたり口内炎になったりすることがあります。マウスピース矯正は歯全体を覆うためお口の中を傷つける可能性は低いです。 また、マウスピース矯正では少しずつ矯正力を加えるため、ワイヤー矯正と比較すると歯を動かすときの痛みは少ないと言われています。ただ、痛みの感じ方には個人差があります。 |
金属アレルギーの心配がない | マウスピースの素材は、プラスチック製で金属を一切使用していません。金属アレルギーが心配で矯正治療を受けることに躊躇していた人でも安心です。 |
マウスピース矯正デメリット
1日20~22時間以上マウスピースを装着する必要がある | マウスピース矯正は1日20~22時間以上装着し、継続的に力を加えて歯を動かします。 |
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歯を削ることがある | でこぼこした歯並びや出っ歯などの症例は、歯を並べるスペースが不足している場合があります。このような場合、歯の両端を0.1~0.3mm程度やすりで削ってスペースを確保することがあります。 これは「IPR」や「ディスキング」と呼ばれており、この処置を行うと抜歯せずにスペースを確保することが可能です。 |
マウスピースを装着したまま飲食ができない | マウスピースを装着したまま水以外の飲食物は摂取できません。 飲食の際は毎回マウスピースを外す必要があるため、気軽に飲食できない点は不便さを感じることがあるでしょう。 |
適応範囲が限られている | ワイヤー矯正はほとんどの症例に適応するのに対し、マウスピース矯正で治せる症例は限られています。 例えば、重度の出っ歯や受け口、骨格に問題がある症例などはマウスピース矯正では治療が難しい場合があります。 |
提供しているマウスピース矯正の種類
マウスピース矯正はさまざまなメーカーから提供されています。
どのメーカーも透明なマウスピースを使用するため同じように見えますが、治療期間や治療効果が違います。
aaligner(エーアライナー)
aalignerは、前歯の歯並びを治す部分矯正に特化したマウスピース型矯正装置です。
適応範囲を前歯だけに制限することによって、最短2ヶ月で歯並びを整えることができます。
マウスピースは1日20時間以上装着して2週間ごとに新しいものに交換します。
aalignerは他のマウスピース型矯正装置と違って日本のラボ(技工所)で作製するため、高精度でなおかつ治療開始まで最短2週間と早いのが特徴です。
クリアコレクト
クリアコレクトは、様々な不正咬合にも適応するマウスピース型矯正装置です。奥歯まで動かすことができ、軽度から中度の症例に適応します。
マウスピースは1日22時間以上装着し、1~2週間ごとに新しいものに交換します。クリアコレクトのマウスピースは他のマウスピース型矯正装置と比較すると、歯ぐきに2mm程度被さるためフィット感がよく、矯正力に優れています。
マウスピース矯正はマウスピース型矯正装置を使用して歯並びを整える治療方法です。ご自身でマウスピースの取り外しが行え、イベントがある日は外して過ごしたり、食事の際は治療前と同じように楽しんだりすることができます。
一方で、適応症例は限られていたり、自己管理が必要になったりします。マウスピース矯正を検討する際は、歯科医師から詳しい話を聞き、納得したうえで始めましょう。マウスピース矯正が気になる方は、お気軽にご相談ください。